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求める電磁界を,、
補助電磁界を
,
として、
ベクトル解析の公式
および、マクスウェルの方程式
を用いて、
を計算すると、
なる関係が得られる。
補助電磁界として、波源の存在しない空間での電磁界を用いると、
が得られる。
これを適当な空間で体積積分すると
なる関係が得られる。
ここで、は空間の表面で外側に向いた法線ベクトル成分を意味する。
以下、
領域I(
)、領域II()の2領域に分け、
静電場の問題と同様に、境界面上での積分方程式を導出し、
これを解いて電磁界を決定する。
領域I:(
)
での境界条件を考慮して、補助電磁界を
とする。
ここで、は式(2.2)で定義した関数である。
以上を式(2.9)に代入して整理する。
このとき、では,
はともにとなるので、
左辺はでの積分のみが残ることに注意すると
次の関係式が得られる。
この式に補助電磁界の表現式を代入して整理すると、
となる。
領域II:()
放射条件を考慮して補助電磁界を
とする。
このとき、式(2.9)は、
での左辺の積分は方向を向いた法線ベクトル成分に
ついて行なうことに注意をして、
と表される。
これら2つの方程式を, の積分についての連立方程式として解き、
ベッセル関数の公式(A.12)より、
となることを利用して整理すると
が得られる。
ただし、
を表す。
上式を、電磁界のフーリエ級数展開の係数とみなして逆変換すると、
が得られる。
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T.Kinoshita
平成15年6月18日