電荷、および、がつくる電位を、 それぞれ、 、 と表す。 このとき、電位はラプラスの方程式
を求めるべき未知関数、 を既知関数とすると、 式(1.17)は についての 関数方程式となる。 既知の を補助ポテンシャルと呼ぶことにする。
特に、電荷の場合のラプラスの方程式の解を
に用いれば、
[例4] 2枚の導体平行平板と線電荷
図1.2に示す問題を解き、 観測点()での界を求める。ただしとする。
領域をI()とII()に分け、 ラプラスの方程式と 、および、で境界条件を満足する補助ポテンシャル
(1.19) |
(1.20) |
上式は
について成立し、
のフーリエ級数展開の逆変換とみなせる。
よって、フーリエ級数展開を利用して、
(1.21) |
[例5] 2枚の導体平行平板と線電荷 (部分的に誘電体で満たされた場合)
図1.3に示すように、に2枚の導体平板が、
()に軸と平行に線電荷[C/m]が置かれているとする。
ただし、、かつ、
は比誘電率 の媒質で満たされており、 は真空[誘電率 ]とする。
観測点をとし、 領域をI(),II(),III() の3つに分け、、および、で境界条件を満足する 補助ポテンシャル(ラプラスの方程式の解)
このとき、電束密度の成分は、
領域I()
式(1.17)に上の補助ポテンシャルを代入すると 次の電位と電束密度についての方程式が得られる。
ただし、
領域II()
(1.24) |
(1.25) |
領域III()
補助ポテンシャル
について
同様にして次式が得られる。
以上、式(1.22)-(1.26)を整理して 次の連立方程式が得られる。
(1.27) |
[例6] 導体楔と線電荷
図1.4に示すように、 ( )に軸と平行に線電荷[C/m]が 存在し、 を境界面とする開き角の導体楔が、 軸を稜線として置かれている場合の 電位分布を求める。ただし、導体楔の電位は[V]とする。
円筒座標系()を使用する。 なお、方向に電位は一定である。
での電位を求めることとし、 領域をI()、II()の2つに分ける。 境界条件を考慮して、 ラプラスの方程式の解
このとき、
領域IとIIで式(1.17)より、 方程式
これらを連立方程式として について解けば、
(1.28) |
このとき、電界の成分は
(1.29) |
ただし、電場のエネルギー