卒論・修論テーマ

人の認知心理に関わる理論の設計とそれに基づいた学習支援システムの開発を主に行っていますが,
卒業研究であればテーマは自由です(修士は学習・教育を対象としたテーマに限定します).

研究の心構え

利用者の役に立ち,利用者が楽しんでくれる研究を行います.
研究している本人が「意味がある」「役に立つ」と思えるものを作ってもらいます.

研究のコンセプト

 私は元々ゲームなど遊びが大好きでした.遊びは楽しい.楽しいということは強いモチベーションを生み出します.なぜ,今「学習」というテーマについて研究しているのか.「教育」は先生主体ですが,「学習」は学び手(学習者)主体です.ゲームも学習も「何かを達成できて,楽しい」という共通性を持っています.ただ,学校教育では「教師による一方的な押し付け」が学習をつまらないものにします.
 本研究室では,「教師による一方的な」教育ではなく,「学習者主体」の楽しい学習を支援するシステムを設計します.「何が楽しいか」「何を学ぶべきか」「なぜ学ぶべきか」これらは,学習者がどのように考えているか,そして学習者が自分のことをどれだけ理解しているかに関係します.そのため,人の認知に関する心理(認知心理学)に基づいて,研究を進める必要があります.また,「教師による一方的な」教育を回避し,「学習者主体」になるには,「学習者がまずは行動し,それに教える側が対応する」ことが必要です.しかし,教師一人ですべての学習者の行動に対応することが大切です.本研究室では,人工知能により学習者の活動を診断し,フィードバックを与えるシステムを設計・開発します.

卒論・修論事例

・「スケジューリングスキル改善支援のための行動と結果の長期的な因果関係学習ゲームの開発」
・「スケジューリングスキル改善支援のための失敗経験に基づく過去スケジューリングシステムの開発」
・「コメント機能を活用したリアルタイムコーパスの作成と自動字幕生成システムの開発」
・「理解状態の体系的整理を通した活用能力の育成支援システムの開発」
・「FPSにおける理解の振り返りを通した瞬間判断能力の育成支援システムの開発」
・「プログラムの意味の理解を通した学習の支援システムの開発」
・「プログラムを1行ずつ読むことによる学習の支援システムの開発」
・「プログラムを1行ずつ読むことによる学習の支援システムの開発」

東本の研究テーマ例

誤りの可視化による気づきを支援するシステム(図1)

教師に「間違いだ」と押し付けられるとつまらない.
システムで学習者がおかした誤りを可視化すれば自ら誤りに気付くはず.

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知識の体系化を支援するシステム

知識は覚えるだけでは駄目で活用する必要がある.活用するためにはいろんな知識が自分の頭で整理されている必要がある.
学習者が整理した知識に,フィードバックを与えるシステム

思考の外化と誤りの可視化を両立した学習支援システム(図2)

上二つに関係したシステム.学習者に考えていることを書かせる(外化させる)と頭の中を整理するきっかけになる.
さらにそこで書いたものが誤っていたら可視化するシステム.

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講義中に即座に自分の理解状態を確認できるシステム(図3)

講義中に自分の理解状態を整理し,入力すると即座に講師に届き,さらに他の学習者との違いを認識できるシステム.
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