どんな未来を創ろうか...

学生の皆さんへ

卒業研究とは

 「卒業研究」というのは,その名のとおり「大学を卒業するためにやらなければならない研究活動」なのですが,「何故それをやらなければならないのか」について,ちょっと考えてみたいと思います.それを考えるに当たって,先ず一般的な「研究」とは何なのかについてお話をします.
 「研究」は以下のような流れ(プロセス)に沿って進められます. 研究の流れ

課題発見
現状の問題点,解決すべき課題を見つけ出す.
課題分析
課題を具体的に分析し,課題を解決する方向性を見い出す.
解決法考案
課題を解決するための具体的な「新しいアイデア」を考案する.
実験
新しいアイデアを試すため,必要な環境や手順について計画を立て実行する.
検証・考察
実験結果を評価・考察し,必要に応じて課題分析~実験の見直しを行う.
結論導出
最終的な結果から結論を導き出す.
他者へ訴求
全体をまとめ,この研究の新規性・有効性を,他者が納得するように説明する.

 一般的な「研究」では,「考案した解決法が新しく(=新規性),効果がある(=有効性)」ということが重要であり,それが研究成果となります.しかしながら,「卒業研究」のように一年程度の期間で極めて優れた研究成果を上げることは,学生にとってなかなか困難です.
 一方,上で述べたプロセスは,実は「研究」に限ったものではなく,社会で常に行われている「問題解決」のためのプロセスです.そして,このプロセスを成し遂げるために必要な問題解決力は,あらゆるところで必要とされる能力であり,今後みなさんが社会で活躍していくためにとても大きな力となってくれるものです.

 「卒業研究」の一義的な目的は,この問題解決力を養うことだと捉えてください.上述のプロセスを日々,自らが考え行動し遂行していくことにより,社会で活躍していくために必要不可欠な能力を身につけていく,それが「卒業研究」です.
 また,プロセスの中で最後に行うべき「他者への訴求」では,「どのようにしたら相手が理解してくれるか,納得してくれるか」ということを考える必要があります.独りよがりでなく相手の立場に立って考え相手を説得する力です.これは正にコミュニケーション力です.すなわち「卒業研究」は,社会で活躍していくために必要不可欠なコミュニケーション力を養う場でもあるのです.
 「自分は研究職に就くわけじゃないから卒業研究なんかどうでもいいや.できるだけサボってラクしよう」などと考えている学生がいるとしたら,とてももったいないことです.なぜなら「卒業研究」は,社会で活躍していくために必要不可欠な能力である問題解決力コミュニケーション力を養う場だからです.「卒業研究」で努力した学生は,これらの能力を身につけ,社会で幅広く活躍できる人に育ちます.


本研究室への配属を検討している皆さんへ

 本研究室への配属を検討している皆さんは, 卒業研究とは に書かれている内容をしっかり理解してくれていると思います.将来に必要な能力を身に付けさせてくれる「卒業研究」.これにしっかり取り組み,社会で幅広く活躍する人になりましょう!

 そのために,皆さんには以下を心がけてほしいと思っています.

  • 卒業研究でやりたいことや解決すべき課題,解決のためのアイデアなどを,自らが主体的に考えてください.「卒業研究」では自分から積極的・能動的に行動することが,問題解決力を養うためにもっとも重要です.
  • 研究室の仲間と日常的に議論し合いながら「卒業研究」を進めてください.そうすることによって良いヒントをもらうことができますし,他の人のテーマについても考えることで,自分の視野が大きく広がります.そして,この取り組みによって自分のコミュニケーション力を大幅に強化することができます.
  • 研究室の仲間と日常的に議論し合うために,平日は毎日研究室に通いましょう.

 これらを心がけて,思い出に残る,有意義で楽しい研究室生活を送りましょう!