計算機応用(B:ネットワーク)by 荒井  TOP | [前回] | [次回]

★IPアドレスとDNS

 

IP-address とホスト名

IP-address = ネットワーク部+ホスト部(サブネットマスク)

     クラス(A,B,C)と接続可能台数

     4つのオクテッド部分からなり、ピリオドでつなぐ。

     1つのオクテッドは0〜255までの数字で示される。例えば「192.168.16.234」がIPアドレスの例で、この場合はクラスCで運用されており、「192.168.16」までがネットワーク部、「234」がホスト部となる。

     クラスAは下位3オクテッドがホスト部、クラスBは2オクテッド、クラスAは下位の1オクテッドのみがホスト部である。

     ホスト部が、all 0 はネットワークそのもの。All 1 はブロードキャストアドレスと呼ばれる。よって、クラスCの場合は、xxx.xxx.xxx.0255までの256台の端末が接続できるのではなく、0と255の2台を除く254台が接続できることになる。

     サブネットマスクを理解するためには、2進数(16進数も)の計算を理解しておく必要がある。

     グローバルIPとローカルIP

ホスト名=(狭義)ホスト名+ドメイン名

     ドメイン部分は複数の階層化されたサブドメインに分けられる。例えばxyz.chem.t-kougei.ac.jp の場合、狭義のホスト名がxyzで、t-kougei.ac.jpドメインのサブドメインがchemである。ドメイン名は後ろから読めるようになっている。上記の場合、日本(jp)の教育機関(ac)の東京工芸大学(t-kougei.ac.jp)の応用化学(chem)xyzという名前の端末(ホスト名)ということになる。

DNS;IPアドレスとホスト名の相互変換

     IPアドレスはホスト名に対応付け、DNSによって、相互変換が可能。

     IPアドレスは、全世界で原則ユニーク。

     ホスト名は必ずしもユニークでなくてもよい。つまり、一つのIPアドレスに対して、複数のホスト名をつけてもよい。
良い例は、Webサーバで、多くの場合、複数のホスト名が付けられる。

     IPアドレスは原則としてユニークだが、但し例外があり、プライベートアドレス(プライベートIP)という体系が有る。しかし、プライベートアドレスをインターネット上で使用してはならない。あくまでも内部でのみ利用することになっている。

     内部LANでプライベートアドレスにより運用している場合、インターネットと接続するには、通常NATNetwork Address Translation)という機能を利用する。また、更にポートマッピングなどを利用することもある。

     ADSLなどのいわゆるブロードバンド接続(常時接続)などにおいては、ISPによって、グローバルIPを付与する場合と、プライベートIPを付与する場合がある。

 

     DNSの役割について

Ø         DNSは、ホスト名とIPアドレスを変換する機構である。

Ø         通常人間のユーザは覚えやすさの観点などからホスト名を利用する。一方端末は計算などの観点からIPアドレスを利用する。このホスト名とIPアドレスを変換してくれる機構がDNS(ドメインネームサービス)である。

Ø         DNSを端末で利用できる(DNSクライアント)ようにするためには、DNSサーバのIPアドレスを指定しておく必要がある。DNSサーバは自分(端末)が属しているドメインのDNSサーバを指しておくのが一般的である。

Ø         DNSサーバの指定は、当然IPアドレスで指定する(ホスト名ではない)。この理由は明白であろう。

     DNSの詳細

Ø         DNSは基本的な部分はデータの変換機構である。DNSが有するデータは様々あるが、代表的なものはホスト名とIPアドレスで、これらの対を情報として保有している。変換は、ホスト名→IPアドレス(正/順引き)と、IPアドレス→ホスト名(逆引き)の二種類があり、別々のデータを保有する。

Ø         DNSに登録さえすればホスト名とIPアドレスの対は、いつでも変更できる。例えばある端末Aが他の端末からアクセスされることのあるマシンで、何らかの都合で調子が悪くなった場合、ほぼ同様の機能を持つ別の端末Bがあった場合、DNS上でAのホスト名に対応するIPアドレスをBのアドレスに切り替えれば、Aにアクセスするユーザは何も気付かずにアクセスできる。

Ø         Aレコード

²        ホスト名→IPアドレス(順引き)のデータは、DNS上でAレコードと呼ばれる情報として記憶・設定する。

Ø         CNAMEレコード

²        Aレコードと似たものに「CNAME」レコードがある。これは、ホスト名→ホスト名の情報で、いわゆる別名を付ける。例えば、tip30.t-kougei.ac.jp192.168.16.76というIPアドレスを持つが、この端末は別名として、www.t-kougei.ac.jpというホスト名などを持っている。

Ø         PTRレコード

²        IPアドレス→ホスト名(逆引き)のデータは、DNS上でPTRレコードと呼ばれる情報として記憶・設定する。

Ø         DNS情報を調べるツールnslookup

²        nslookupと呼ばれるツール(Unix上)により、DNSを引くことができる。

²        nslookupでは端末が既に設定しているDNSサーバの指定を無視して自由に他のDNSサーバを指定することもできるし、Aレコード以外の全てのレコードを取得(調査)することもできる。

Ø         あるドメインを運用する場合には、そのドメインの端末情報を記述したDNSサーバを運用しなければならない。DNSサーバの運用に関してはここでは省略するが、ネットワーク管理者のまずしなければいけないことの一つである。

Ø         MXレコード

²        DNSが保有する情報の中で重要なものの一つとして、MXレコードがある。

²        MXレコードは「Mail Exchange」であり、メール転送に利用される情報である。

²        MXレコードは、ドメイン名→ホスト名(優先度付き)というような情報をセットする。一つのドメイン名に対し、優先度を変えて複数のMX先ホスト名をセットすることも可能である。

 

 

◎確認項目(小テスト)

(1)  クラスCのネットワークには最大何台の端末を接続できるか?

(2)    プライベートアドレスの利点は何か?

(3)    DNSとは何をするものか?

(4)    IPアドレスの役割と、ホスト名との関係について述べよ。

(5)    電子メールアドレスのやりとり(送受信)における概要を述べよ。

(6)    DNSクライアントとして端末を設定する際に、DNSサーバを指定する必要がある。このDNSサーバの指定(設定)は、ホスト名ではなく、IPアドレスを指定(設定)しなければならない。それはなぜか?

(7)    DNSクライアントとなる際のDNSサーバの指定は、なぜホスト名ではなく、IPアドレスでなければだめなのか?

(8)    プライベートアドレスをなぜインターネット上で使ってはいけないのか?

(9)    IPアドレスの数は全世界で不足している(枯渇)。この解決の一つとして、プライベートアドレスが役にたっているのが、それはなぜか?

(10)         ホスト部が4bitの場合のネットワークとした場合に、そのネットワークには何台の端末を接続できるか?(計算式だけでよい)

(11)         インターネット全体の、全てをクラスBで運用するとすると、いくつのネットワークに分割できることになるか?

(12)         二進数「11101100」を、16進数と10進数に直せ。

 

 

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