● DNSと電子メールの関係
Ø DNSには、以下のような様々なレコードがある。
² Aレコード
² CNAMEレコード
² PTRレコード
Ø MXレコード
² DNSが保有する情報の中で重要なものの一つとして、MXレコードがある。
² MXレコードは「Mail Exchange」であり、メール転送に利用される情報である。
² MXレコードは、ドメイン名→ホスト名(優先度付き)というような情報をセットする。一つのドメイン名に対し、優先度を変えて複数のMX先ホスト名をセットすることも可能である。
● MXとメールとの関係
² MXレコードは、電子メールを送出する際に利用(参照)される情報である。電子メールを送出するのは多くはsendmailというプログラムにより、SMTPというプロトコルで実施される。また通常設定したSMTPサーバに一度送られてから相手のメールサーバにメールが送られることになっている。
² 例えば、xxx@t-kougei.ac.jp宛ての電子メールを送出する場合、一体相手のメールサーバは具体的にどのマシンなのであろうか?メールアドレスにはユーザ名の他にはドメイン名しか書かれていない。@以降はホスト名ではなく、ドメイン名であることに注意すべきである。
² 電子メールの宛先のドメイン名から、メールサーバを知る機構がDNSのMXレコードである。上記の例だと、t-kougei.ac.jpドメインのメールサーバが何であるのかをDNSのMXレコードを通じて知ることができる。例えば、t-kougei.ac.jp→tipgw.t-kougei.ac.jpというデータがMXとして登録されていると、sendmailプログラムはDNSを通してこの情報をまず取得する。そこで、t-kougei.ac.jpドメインのメール先(MX先)がtipgwというマシンであることを知り、このマシンに対してメールを送出する。
² MXレコードは優先度を変えて一つのドメインに対して複数のメールサーバを指定できる。まず優先度の高いメールサーバに対してメールを送信しようとするが、もしこのマシンが何らかの理由で死んでいたりする場合、次の優先度のメールサーバに対してメールを送る。
² メールサーバによっては、メールアドレスとして「ユーザ名@マシン名」でも送出可能に設定してあるが、基本はあくまでも「ユーザ名@ドメイン名」である。ローカルに「ユーザ名@マシン名」を使うことは問題ないが、インターネットを通じて「ユーザ名@マシン名」を使うことは好ましくないし、多くの場合送信できないことがある。
● sendmail
Ø sendmail とはメールサーバ上で電子メールをやりとりするためのあるプログラム郡(システム)の名前である。電子メールをやりとりするプログラム郡には他にもあるが、Unix上でインストールするプログラムとしてはsendmailがポピュラーである。
Ø sendmailのようなメール(デーモン)プログラムは、メールを受け取ったり、送信したりすることを行い、当然DNSを通じてMXレコードの取得なども行う。
Ø sendmail 以外には、postfixなど数々のメールサーバシステムがある。
● nslookup, sendmail
(1)
ある一つのネットワーク上に、DNSサーバDというマシンと、あるドメインのsmtpメールサーバA、及びbbbドメインのメールサーバBというマシンがある。メールサーバAから、「xxx@bbb」宛てにメールを送る場合、ネットワーク上でどのようなやりとりが行われるのかを記述せよ。
DNS(MX)の話を中心に、可能な限りより詳細なやりとりについても記述せよ。
(2) あるネットワークには端末AとDNSサーバDとメールサーバMが接続されている。また隣のネットワークにはユーザXのメールサーバNが接続されている。端末AからユーザXにメールを送った場合、どのようなやりとりが行われるのか?但し、ARPに関しては無視してよいものとする。
(3) 上記(2)の例で、ARPまで考えると、どのようなやりとりが行われるであろうか?
(4) メールアドレスは、なぜ原則として「ユーザ名@ドメイン名」なのか?「ユーザ名@マシン名」で不便なことを中心に考えてみよう。
(5) あるドメインでは二台の耐障害性のためにメールサーバ(AとBとする)を二台運用し、MXレコードにこの二台を設定している。一台のメールサーバAが何らかの障害のため、マシンそのものが落ちている際にこのドメイン宛にメールが送られるとどのようになるのか?
(6) WEBメールの利点と欠点について述べよ。
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