００年度［荒井］情報処理概論

＊「５．繰り返し(for-next)と配列(10/30)」＊

• ピクチャーボックス及びフォームへのｐｒｉｎｔ（オブジェクト指向）
  
  あまり使わな方法であるが、今日のこれからのために。。。
  ピクチャーボックスもしくはフォームへ変数の内容などを出力することができる。
  つまり、テキストボックスに出力する変わりとしても使える。
  
  例えば、Print x とすると、画面(Form)上に変数xの内容が出力される。
  Picture1.Print x とすると、画面に用意したPicture1という名前の ピクチャーボックスに出力される。この場合はプロパティではなく、 Picture1に対してPrintを実行すると言う意味である。
  （Picture1を略すと、「Form1」がデフォルトで使用される。
  
  
  
• 繰り返しFor-Next文
  
  • 繰り返し；コンピュータの最大の特徴の一つの実現
    
    コンピュータは飽きずに早く繰り返し処理できる。
    その繰り返しのプログラムの一つの方法がFor文。
    基本的には決まった数分だけ繰り返すような場合に使う。
    
  • 使い方の例は以下のとおり。
    For i = 1 to 10
　　「繰り返したい処理を書く」
Next i

    上記「i」はカウントをおこなう変数で、自分が適当なものを使用する。 つまり「i」である必要は全くなく、変数ならば何でもよい。
    「１」はカウントを始める数（他の数字、変数、式などでもよい）
    「１０」はカウントの終了の数（他の数字、変数、式などでもよい）
    よって、例えば、上記（処理部分は除く）は、次のようにも書ける。
    

    s = 1
    e = 8
    For i = s to e + 2  'e+2にする必要は全くなく説明のためこうしているだけ。
    Next i
    

    ForとNextの間を何回も繰り返すが、その繰り返す数は「1 to 10」のところで決まる。
    NextまでいくとForに戻り、その際にカウント変数の中身が一つ増える。
    つまり、「iが１」だったら、次には「iは２」となる。
    よって、上記は、i=1から始まり、i=10になるまでの１０回を、 全く同じことを繰り返す。
    また、For i = 1 to 10 Step 2
というように書くこともでき， この場合、１づつ増えるのではなく、２づつ増えることになる。


  • 例題：5から10までの数字を画面に出力する。

    For x = 5 to 10
        Print x
    Next x

  

• 合計の計算方法
  
  例えば、x の内容を５だけ増やすには、
  x = x + 5
  とすればよい。「＝」は代入なので右側から考える。
  まずx+5が計算され、その結果がたまたま同じ変数のｘに代入されるだけ。
  よって、結果的にｘの内容が５だけ増える。
  
  
  
• ＊１からｎまでの合計を求めてみよう
  
  FOR文と合計の計算のし方を利用して、１からｎまでの合計を求めるプログラム作ってみよう。
  この場合、カウンタとして使用する変数「i」をうまく使うとよい。
  ★よって１から１０までの合計を求めるプログラム（コメント付き）は次のようになる。
  

  t = 0  '合計を入れる変数ｔの中身をなくしておく
  For i = 1 to 10  'iを１から１０までの十回ループさせる
      t = t + i  't=t+1, t=t+2, t=t+3...と繰り返す
  Next i  'くり返しの終了場所
  Text1.Text = t  '答の合計ｔをテキストボックスに表示
  

  
  
• ＊こんなことにも挑戦してみよう！
  
  • ＊ユーザが入力した数字からユーザが入力した数字までの合計を求めてみよう
    
    • 値の入力はInputBox("")を使おう。
    • 答をテキストボックスに表示させよう。
  
  
• 変数の宣言
  
  今までの変数は何の準備もなく単に使用していた。
  また、それら変数に代入できるものとして、数値と文字列があり、文字列の場合の変数名は、変数名に「$」を付けておくことより区別したほうがよいとしていた。
  正しくは（よりよいプログラムとするためには）、利用する変数については、全て予め宣言しておくことべきである。宣言はプログラムの先頭部分で「Dim」という命令を用いる。 例えば、
  Dim a
  などとする。
  また、より詳細に変数の型を指定することが推奨される。つまり、その変数は数値や文字列などどのような種類（「型」と呼ぶ）として利用するのかを記述する。例えば、 Dim b as Integer
  など。
  
  
  • 一次元配列変数
    
    今までの変数は一つの箱だった。
    配列は、連続した箱（変数）で、番号（背番号のようなもの）によってどれかを指定できる。
    今までの変数と違うのは、プログラムの先頭部分で、配列を使うことを宣言しておかなければ ならない。これは例えば、Dim a( 10 ) などのようにする。この場合、 「a」という配列変数を使うと宣言しており、箱の数は０〜９までの１０個であることを 意味している。このように宣言した場合、9以上の番号を指定することはできない。 但し、若干余分に箱を用意しておいて、それを使わないことは必ずしも悪いことではない。
    実際に配列を使うには、配列変数名の後に、必ず()を書き、その中に何番目の箱なのかを指示する。 この番号の指定には数字だけではなく、変数も使える。
    例えば、a(1)でもよいし、a(n)でもよい。
    配列変数にしたい場合は、例えば次のようにする。
    
    

    'まず、プログラムの先頭で０から１０番までの配列変数aを使うことを宣言する。
    Dim a( 10 ) 
    '次に実際にこの配列変数aを使うときには例えば次のようにする。
    a( 0 ) = Val( InputBox("") ) 'とか
    n = 0
    a( n ) = Val( InputBox("") ) 'など、また
    x = a( 0 ) + a( 1 )  'などのように使える。
    

    
    もちろん文字型変数にも使え、
    

    Dim m$( 10 )
    m$( 0 ) = Val( InputBox("") )
    

    とか
    

    n = 0
    a( n ) = InputBox("")
    

    など、また
    

    mes$ = m$( 1 ) & m$( 2 )
    text1.text = mes$
    

    などのように使える。
    
    
    
  • 配列とFOR文との相性
    
    配列はFOR文はとても相性が良く、一緒に使われる場合が多い。
    例えば、テストの点数１０人分の数字を入力しなければならない場合、 各人の点数を取っておく変数を１０個分用意しておく必要がある。 例えば、a,b,c,...などとなってしまう。更に、このようにした場合， 全員の点数の合計を求めるには、a+b+c+...となってしまう。１０人程度 ならまだよいが、１００人２００人になると書き切れない。
    このような場合、例えばten(300)という配列を用意しておき、 順番にそれぞれの点数を入力しておき、合計を求める時には、 FOR文を用い、そのカウンタ変数をうまく用いることにより、 簡単に合計を求めることができる。
    例えば、１０人の点数を入力し、それらを合計する場合、
    

    Dim ten( 20 )
    For i = 1 to 10
        ten( i ) = InputBox("")
    Next i
    total = 0
    For i = 1 to 10
        total = total + ten(i)
    Next i
    text1.text = total
    

    となる。
    
    
  • ＊こんなことにも挑戦してみよう！
    
    メッセージの内容をランダムに変えるには、
    今日勉強した配列を使った方が便利（もちろん以下のように使わなくてもできるが）。
    今日習った配列を使わない例（ランダムでrに０か１を選択した後）；
    

    If r = 0 Then
        Text1.text = mes1$
    Else
        Text1.text = mes2$
    EndIf
    

    二つ程度ならこれでもまああまり面倒ではない。しかし３つ以上になると、 絶対に配列を使った方が便利！
    
    • 上記ではなく配列を使った場合をプログラムしてみよう！！！
      ［ヒント］例えば、配列mes$(1)にある文字列を、mes$(2)には別の文字列を代入しておく。
      
    
    
  
  
• 練習問題
  
  • １００回サイコロを振ってその目の合計と平均をもとめてみよう。
    For-Next文と合計の出し方さえ分ればだいじょうぶなはず。
  • ６００回サイコロを振って、１〜６の各目が各々何回出たかをもとめてみよう。
    きちんとしたランダムならば結果は各々約１００回になるはずですね。
    For-Next文と共にうまく配列を使いましょう。各目のカウントを配列にするとよい。
  • 二つのサイコロを、１００回振って、各合計が奇数になったその目の合計と平均をもとめてみよう。
    丁半の統計を取ってみようということ。本来およそ同じになるはずですね。
    奇数は２で割って余りが１であることを用いましょう。
    配列をうまく使うと必ずしもIF文は利用しないプログラムを作ることもできます。
  • 九九を計算して、それらすべての合計をもとめてみよう。
    つまり、1*1+1*2+1*3+...+2*1+2*2+...+9*8 を計算する。
    For文の中にFor文（二重ループ）を使ってみよう。