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カメをかしこくする(変数)

カメにもっと複雑ふくざつな図形を描かせるために 変数へんすうを使用しましょう。 変数とはデータを入れておく箱のようなものです。 カメに「箱の中にある値あたいだけ進みなさい」 と命令するスクリプトを作っておけば、 箱の値あたいを途中で変えることで カメの進む長さ(距離きょり)を変えることができます。 変数の値あたいはいつでも入れ換えることができます。 ただし、1つの変数には、一度に、1つのデータしか入れることができません。




18にしたがって、次の順で変数「a」を作ってください。




図 18: 変数を作る
\includegraphics[width=85ex]{figs2/fig20.eps}

ビューア上の名前「スケッチ」左隣の「 \bgroup\color{blue}$\vee$\egroup」をクリックしてください。 「新しい変数の名前」と表示されたウィンドウが表示されます。

変数の名前(変数名)は、何でもかまいません。 その変数の働きがわかるような名前を付けます。 しかし、ここでは、簡単に「a」(英語/「エイ」と発音)とします。 新しい変数の名前に緑色で「荷重2と表示されているところへマウスカーソルを移動させ、「A」キー (キーボードの下から3段目、左から2つ目の「A」と書いてあるキー)を 押し、[了解りょうかい]をクリックてください。

ビューアに「変数」カテゴリが表示され、「a」という名前の変数が表示され ます。 次のようにして、 カメを元の位置にもどす「スクリプト1」に変数aの値あたいを設定せっていするタイルを 追加してください。 (図19)

  1. ビューアのスクリプト・カテゴリから「スクリプト1」を取り出して、 スクリプト1の内容を表示させます。
  2. ビューアの変数カテゴリの「スケッチのa」の右側の \includegraphics[width=3ex]{worm/fig2b.eps} 記号をクリックして、タイルを取り出します。 タイルをスクリプト1の中に置きます。
  3. スクリプト1に置いた「スケッチのa」タイルの値あたいを0にします。

図 19: 「スクリプト1」の機能(きのう)を拡張する
\includegraphics[width=80ex]{figs2/fig21.eps}




変数を利用した「スクリプト3」を作成します。ビューアから「スケッチのa」タ イルを取り出して、 図20に示しめす順序じゅんじょで「スクリプト3」を 完成させてください。




  1. ビューア内の「変数」カテゴリに表示されている「スケッチの a」 の右側の\includegraphics[width=3ex]{worm/fig2b.eps}をクリックし、ドラッグ&ドロップ 3 で、取り出したタイルをビューアの外に置くと、その中に取り出した タイルが置かれた状態で「スクリプト3」が現れます。 図の\includegraphics[width=2ex]{arrow.eps}をクリックして「a$\leftarrow$」を「a に以下を足 す」に変えます
  2. 「a に以下を足す」の右隣の数値を2に変えます
  3. ビューアの「基本」カテゴリよりタイル「スケッチを進める」を取り出 して、 スクリプト3の中に図のように置きます
  4. 「スケッチを進める」の右隣の数字5をビューアの「変数」カテゴリから 取り出した「スケッチのa」で置き換えます
  5. ビューアの「基本」カテゴリよりタイル「スケッチを回す」を取り出し スクリプト3の最後に置きます
図 20: 「スクリプト3」
\includegraphics[width=96ex]{figs2/fig22.eps}

最初、変数aの値あたいが0であるとしましょう。 このとき、 スクリプト3を実行すると 、カメはaに保存ほぞんしている値あたい(aの値あたい)を0から2に変え、 2進んで、90度右に回ります。 もう1度、スクリプト3を実行すると、aの値あたいを2から4に変え、 4進んで90度右に回ります。 このように、このスクリプトを1回実行する毎にカメの進む距離きょりが2ずつ長く なります。




スクリプト3をくり返し実行してください。




この実行結果とスクリプト3での曲がる角度を91度に変えた 場合の実行結果が図21に示しめしてあります。

図 21: 「スクリプト3」の実行結果
\includegraphics[width=60ex]{figs2/fig23.eps}

変数を使用することでカメの進む距離きょりを徐々に長くすることができました。 ボールを空中へ投げ上げると、徐々にスピードが遅くなり、 頂点に達した後、落下を始めてます。 このとき、ボールの落ちるスピードは段々と速くなります。 このような動作をするスクリプトを作るときには変数が 活躍かつやくします。


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T.Kinoshita 平成18年1月12日