の場合に積分路上でが変化すると、
被積分関数の位相は大きく変化し、振動の激しい関数となる。
このとき、の変化で被積分関数は互いに打ち消し合い積分への寄与は小さくなる。
積分への寄与が最も大きいのは積分路上で位相の変化がなくなる場合で、
その場所はより求めることができる。
この、の近傍で振幅の変化が緩やかである場合、積分は
積分を複素積分に拡張し、
と
変数変換し、
指数部の減衰が最も速い方向に積分路を変更する。
このとき、
(A.14) |
この位相の変化が停止する箇所が積分に最も寄与する近似法を 停留値法(method of stationary phase)と呼んでいる。 また、を停留点、被積分関数が最も速く減衰するように選んだ 積分路を最急降下路(steepest descent path)と呼んでいる。