因数分解の解法の比較

    2006/03/20 後 保範 ( Ushiro Yasunori )
    2006/09/02 改訂 (MBPS2の追加)

  MBPS2(改訂多重基底多項式篩法)、PS(多項式篩法)、GNFS(一般数体篩法)及びMPQS(複数多項式2次篩法)
 の比較を表1に示す。  
表1. MBPS2,PS,GNFS,MPQSの比較
 項 目   MBPS2   PS   GNFS   MPQS 
 小項目   DBPS2   TBPS2   ---   ---   --- 
 100桁以上でふるい採用率   大   ほぼ100%   小   小   極めて小 
 使用多項式   2〜4次式   2〜4次式   2〜4次式   3〜7次式   2次式 
使用方程式数  1個又は複数  1個又は複数  複数  1個  多数 
 片方が平方数   利用しない   不成立   変形し成立   不成立   成立 
 イデアルの使用   限定利用   利用   利用しない   利用   利用しない 
 代数平方根の計算   不要   必須   不要   必須   不要 
 篩分解部分の等式   成立   不成立   成立   不成立   成立 
 計算式(2又は3次式) 
 (nは分解対象数) 
 f(x)=Ax2+Bx+C 
 f(M)=0 (mod n) 
 (Ax+a)(x+b)-f(x)=sx+t 
 s=a+Ab-b, t=ab-C 
 v=sign(s)GCD(|s|,|t|) 
 S=t/v, T=t/v 
 同左  f(x)=Ax3+Bx3+Cx+D
 f(M)=0 (mod n) 
f(x)=((ax+b)2-n)/a 
 =ax2+Bx+C 
B=2b, C=(b2-n)/a
 一次式及びイデアル 
 の選定 
指定範囲の整数a,bに対し 
Aθ+a,θ+bが素イデアル基底
で分解できるものを選ぶ。
ここで、AM+a,M+bは分解で
きるように素数基底を追加
指定範囲の整数 
a,bでAM+a,M+b 
を総て選ぶ。
指定範囲の整数
a,bに対して下記
整数:aM+b
イデアル:aθ+b
指定範囲の整数
xに対してf(x)
 ふるい  S,Tが同じで
vが異なる
ものを採択
総て採択し
重複データ
なら除く
S,Tが同じで
vが異なる
ものを採択
aM+bとaθ+bが共
に対応基底で分解
できるデータ
F(x)が素数基底で
分解できるデータ
採択向上策 同右の原理が
同じS,Tの比
率向上を招く
素イデアル基底
で分解できる
イデアルの積は
また分解できる
 - - -   - - -   - - - 
 計算係数(p)   < 1/3 ?   < 1/3 ?   1/3 ?   1/3   1/2 

  計算量 = O( exp(c sp ln(s)1-p)
  ここで、nは分解対象数、cは定数、s=ln(n)でpは表1に示す計算係数である。
  exp()は指数関数でln()は自然対数関数である。
  DBPS2は改訂2重基底多項式篩法、TBPS2は改訂3重基底多項式篩法を示す。