認知科学(2004) 荒井良徳
成績の評価について(レポート及び期末テスト)
●成績評価(最終成績について)
•最終的な成績は、「レポート」と「定期テスト」の合計によって計算されます。
•但し、レポートの方が重視されますので、レポートがかなり良ければ定期テストはかなり悪くても合格点には達します。
•もしレポートが悪い場合は、かなり定期テストで頑張って頂く必要があります。
–よってレポートの再提出でよくしておくと楽です。
–(レポート未提出でもかなり厳しいとはおもいますが、テストのみで単位取得は可能です)
–(レポート評価が悪くても、頑張ればテストにより十分に単位取得は可能です)
●レポートの採点について(概略)
•[A」「B」「C」「D」の4段階で採点(分類)しています。
–今回は「C」「D」に関しては、更に二段階に分類。
–大まかな分類で、実際には各段階内で大きな幅があります。
–また採点ミスがあるかもしれません。評価がおかしいと思う方は是非言ってください。
●期末テストについて(概略)
•殆どが記述式ですが、授業内での話しを理解してある程度覚えていれば難しくはありません。
•後半の神経&脳、情報処理モデルが中心となりますが、前半(レポート説明の数回)及びその他のトピックスなどからも若干出題をする予定です。
●レポートと期末テストの関係(予定概略)
•成績例(あくまでもイメージ例です。実際はかなり複雑な計算をします。)
–レポート:A+テスト:5点程度→可
–レポート:B+テスト:30点程度→可
–レポート:C+テスト:40点程度→可
–レポート:D+テスト:60点程度→可
–レポート:E+テスト:90点程度→可
–※テストは100点満点とした例です。またレポート評価段階は概略で幅があります。
●レポート採点(評価)の目安
•「A」:比較的良く出来ています
•「B」:趣旨に沿ったレポートで、「今一つ〜まあまあ〜良い」といった非常に幅の広い分類です。
•「C」:実験の形にはなっていて惜しいのですが、認知的なインタフェース解析としてのレポートには至っていません。
–是非不足部分を補って再提出しましょう。追加修正はそれほど難しくはないと思われます。
•「C−」:ある程度実験の形にはなっている場合もありますが、レポートの趣旨としては不足な部分が多く見受けられます。
–是非是非不足部分を大幅に補って再提出しましょう。
•「D」「D−」:様々な問題が見られます。
–レポートの趣旨から逸脱しています。
–再度レポートの趣旨を考え直して、再実験などを検討して再提出されることを強くお勧めします。
•「未提出」:評価は厳しくなりますし、もし授業に出ていないとするとレポートは作成しにくいですが、遅れてでも頑張って提出することをお勧めします。
●レポート再提出について
•より良いレポートに修正したい方は、レポートを返却します。但し、最終採点が済んでいないので、必ず再度提出してください。
–持って帰っただけで再提出をしないと、提出していないことになってしまいますので、十分に注意してください。
–A,Bの方でもかなり幅がありますので、再提出を検討していただいて結構です。
•再提出はなるべく早く出してください(評価が厳しくなります)。再々提出なども可能です。
•再提出・提出の期限は、この授業の最終日です。
•再提出する際は、必ず前回のレポートと一緒に提出して頂きます。前のレポートをなくさないように十分に注意してください。
●再提出方法
•再提出は内容が重要で、体裁には全くこだわりません。
–よって多くの人は最初から書き直す必要はありません。
–追加や修正部分がわかるように赤鉛筆を使ったりして書き込んで頂いても結構です。
–また書き込みきれない場合には、「この部分を別紙に!」などを朱書きの上、別の紙に追加部分を書き、前のレポートの最後に紙を付け足してもOKです。
–以前のレポートも必ず提出して頂きます。ワープロなどで作られた方は、手書きで修正するか、以前のレポートの後ろに付けて閉じ直してください。
●レポートにおける注意点など
本レポートは一般的インタフェースを対象としたものではありません。
一般的インタフェースとは、
•単純な使いやすさとして、ユーザの立場になって、実際に使うことを想定して考える。
•見た目、デザイン、操作感などの要素が重要。
•例;
–ボタン/文字が小さい
–英語表記である、表示の意味がわかりにくい
•→ 心理実験と似たような観察などで、
大体分かることが多い!
本レポートの趣旨は、「認知的インタフェース」です。
•頭の中で考えている過程(認知過程)と、実際の操作とのギャップ(認知的負荷)が問題。
•一連の流れ(複数ステップ)により解決する場合、ステップの流れが自然に操作できればよいが、多くの場合そうではなく、これをここでは「使い難い」と呼んでいた。
•やや表面的な感覚ではなく、頭の中の出来事(認知)も大事!
認知心理学としての使い易さ
•あれを押して、次にこちらを押してといういくつものステップを踏まなければならない場合、確かに使い易くはなく、単純な操作で済むにこしたことはない。しかし、多機能なものなのでは実質これらは不可能である。
•複数ステップを踏まなければならなくても、容易にその流れが想像でき、思い通りに操作ができれば、それで十分に使い易い!
•つまり、認知過程に沿ったスムーズな操作ができるようになっていればよいはず!!!
プロトコル(発話)
•頭の中で起こっている処理(思考)を口に出して発話してもらう思考同時発話(プロトコル)をうまくする・してもらうのは難しいものです。
–この点は十分に認識してレポートを読まさせて頂いています。
•但し、単なる操作の説明のみをしてもらうものでは決してありません。
–例えば「メニューを押します→次にXXXというボタンを押します」など
–また、ポツポツと話してくれるものでも実際はありません。
•更にプロトコルや実際の操作などの状況から人間の頭の中で起きている思考を引き出すことはとても難しいものです。
–今回はかなり想像・推定で結果であっても仕方がないと認識してレポートを読まさせて頂いています。
–
●内観法とは;
•内観法は、自分自身が被験者となり、つまり自分で実験をして、その際の頭の中での処理過程をつぶさに観察するものです。
–単に行動の記録ではありません。
–情報が入力され行動に至るまでの頭の中での思考についての観察です。
–勿論感想でもありません。
–また、他人の頭の内部を観察するものでもありません。
–但し、非常に難しいものであることも事実で、十分に認識した上でレポートは読まさせて頂いています。
●好ましくないレポート例
•選択した道具や対象とした操作が悪い人がいます。考えながら操作し、その操作方法が迷ってしまう、分かり難いものを対象にしないと難しいです。
•単に使ってみた感想として使い難い、それを勝手に解釈して見た目などの一般インタフェースとして駄目と述べる→趣旨が違います。頭の中(思考過程)を解析することが重要です。
•「慣れていない」や「詳しい操作方法を知らない」から使い難い→そんなの当たり前!それでも少し考えればある程度スムーズに操作できるべきなのです。
•単なる行動記録から推測しては駄目。→頭の中の思考過程を十分に考慮して使い難さを検討しましょう。
•プロトコル=思考過程ではありません。プロトコルや行動から頭の中で何を考えていたのか推測する必要があります。
•実験をし、頭の中を観察(推測)しなければわからないことを導き出すこと!
●レポート修正例(思考過程)
•どのボタンを押してよいのか迷っている。
–→何をしようとしているのか、どのようなボタン(名前など)を探しているのか、分かっている情報は何か、どのような結果を期待しているのか
–→保存をしようとし、「保存」「記録」などのボタンを探しているが、見つからない。「クリア」ボタンは削除もしくはキャンセルだと認識している。まだ保存されてはいないはず。一度保存すべきだと思うが、保存しないで次に進むことができるかもしれないと考えている。保存するボタンが見つかって押せば、名前を入力・選択した上で保存し、そして最初の画面に戻ることを期待している。
–→頭の中でどのような情報を元にどのようなものを探し、何を期待しているのか。それに対し実際に機器とのギャップはどこにあるのか。
●レポート修正の要点
•使い難いのは、人間の思考過程に沿った操作手順ではないから。
–単純な見た目や、単純な感想ではありません。
•1分間迷っているようなところは書ききれないくらい様々なことを頭の中で考えているはずです。
•人間の思考過程つまり頭の中で考えていること(認知過程)を、プロトコルや行動などから十分に推測しましょう。
•読めれば、分かれば体裁には全くこだわりません。重要な点についてきちんと解析しましょう。
–小修正ならば色ペンなどで加筆した部分がわかるようにしていただいてもOKです。
–ページを付け足していただいても結構です。
–以前のレポートは決して削除・なくさず、再提出の場合には必ず以前のものと一つに閉じて提出してください。