Select Case文による分岐

・条件が多くIf文では面倒な時はSelect Case文を使ってみよう

○Select Case文

命令の単語から想像がつくかもしれないが、場合によって選択する、つまり場合分けを行う命令で、分岐命令の一つである。
Ｉｆ文の場合は、原則として二つにしか分岐できなかったが、Select Caseの場合はより多くの分岐を一度に書ける。
但しIf文とは違って、複雑な要因がある場合には利用できない。
Select文の書き方は以下の通り。

Select Case 場合分け用の変数など
　Case　範囲１
　　範囲１の場合に実行させたい命令ブロック
　Case　範囲２
　　範囲２の場合に実行させたい命令ブロック
　Case Else
　　全て（範囲１，２）に当てはまらなかった場合の命令ブロック
End Select
「場合分け用の変数など」の「テスト式」に応じて、Caseの範囲で分岐する。
具体的な利用方法を見ていただこう。
さいころを振り、偶数か奇数を判定してLabel1に表示する例

 
  Randomize
dice = Int( Rnd(1) * 6) + 1
guki = dice Mod 2
Select Case guki
  Case 0
    Label1.Text = "偶数（余り０）"
  Case 1
    Label1.Text = "奇数（余り１）"
  Case Else
    Label1.Text = "余りが０でも１でもない場合（ありえないはず）"
End Select

上記例のように、Caseはいくつあってもよい。また「Case Else」は必要なければなくてもよく、上記例の場合も実際はいらない。
なお、上記プログラム例はプログラムとしては必ずしもスマートではない。
- まずCase Elseが必要ではないこと、
- そして、二つの選択肢（分岐）だったら、If文の方がスマート
例えば、さいころを振って、各々の目によって違う動作をさせたい場合にはIf文の中に次々とIf文を書くよりもずっとスマート
- If a = 1 Then
  - 1111111
- Else
  - If a = 2 Then
    - 2222222
  - Else
    - If a = 3 Then
      - ・・・
- よりも、
- Select Case a
  - Case 1
    - 11111
  - Case 2
    - 22222
  - Case 3
    - ・・・
- などとした方がすっきりとしている。

○パーツを選ぶのは君だ！簡単で分かりやすくなるものを選ぼう。

ＩＦ文もSelect文も似たような働きをするパーツである。どちらを選ぶかは自由だし、どちらを選んでも不正解ではないが、状況に応じた選択ができるようになろう。
上記例では偶数か奇数かの判断をSelect文で行っているが、実はこれは必ずしもあまりよい例ではない。
なぜならば、Ｉｆ文一つで十分にシンプルにかけるからである。この後プログラムを改良していき、多くの分岐が必要になるのであれば別だが、たった二つに分岐されるのにSelect文を利用する必要はない。
別の例として、上記ではさいころがいくつの目だったのかが全くわからない。そこで、これをLabel2にテキストで表示させることを考える。
Ｉｆ文を使って表示できるであろうか？答えはＹｅｓ。もし１だったらLabel2.Text=1などとする。
でも、これは面倒。Ｉｆ文の中に次々とＩｆ文を作っていかなければならないから。
では、Select文を使うべきか。。。Select文を利用すると、Case 1の場合、Label2.Text=1などとする。Ｉｆ文よりはシンプルで分かりやすくなる。
が、これも決してよくはない。上記プログラムの例を利用するならば、diceという変数に既にさいころの目の数が代入されている。よって、
Label2.Text = dice とたった一行で表現すべきであろう。
プログラムが面倒といういことは、間違える可能性も高くなるので、できれば簡素なほうがよい。
しかし、どのパーツ（命令）を利用しても作れるように、個々のパーツについてはきちんと理解をしておくこと！

○さいころの絵表示をSelect文を使って書き直してみよう。

「絵の表示例題」では、Ｉｆ文を最低５つ利用して６個のさいころの絵を表示させていた。
これをSelect文を使ったプログラムに変えてみよう。

＊教科書；
17-2 Select Case文 p358

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