音の強さ
音の強さはどうしたら変わるだろう。数値を増やせば音が強くなるだろうか。
元の波形x に以下の計算をし、形をgraphで、音をplayで確認しよう。
x=sin(2*%pi*1000*t)*0.1;
a=x * 5;
b=x + 5;
以下のことを確認しよう。
(1) 数値を加えても音は強くならない
(2) 振幅(sin関数の山と谷の差)が増えると音が強くなる
さらに詳しく知りたい人へ
以下のように0.1の数値をいろいろかえて再生してみよう。
play(sin(2*%pi*1000*t)*0.01);
play(sin(2*%pi*1000*t)*0.1);play(sin(2*%pi*1000*t)*0.2);
play(sin(2*%pi*1000*t)*0.4);
0.01(かすかな音)~1.0(かなり大きな音)程度の範囲の音量が気持ちよく聞きわけることがえきる。
同じ程度の比率(たとえば2倍)に振幅が増えると、同程度に音量が増えて感じる。
dB(デシベル)
そこで、同じ振幅の比率を一定の指数であらわすと便利なので、
20×log(A)/log(10)
という式で算出される値を 振幅の比率を表す指数として用いる。
この数値を、dB (デシベル)という単位であらわす。たとえば振幅が10倍なら +20dB、1/100なら -40dBの振幅になる。
dBspl(デシベルSPL)
音の絶対的な強さもデシベルという単位でであらわし、相対的な強さの場合と区別して、dBspl と書く。
dBsplは以下の式で計算した値である。
ここでPは気圧(単位はパスカル)。天気図でおなじみの単位である。
日本付近の気圧は1000~1014hP(ヘクトパスカル)に分布している。
Q: 気圧の変化が 1気圧の2/10万の場合、音の大きさは何dBsplだろうか?
音のエネルギー
dBsplは音の絶対的な強さを表しているので、音のエネルギーとも関係がある。音のエネルギーは1平方メートルあたりを通過する音のワット数でもあらわされるが、いろいろな音のdBsplと1平方メートルあたりのワット数を示すと以下の表のようになる。
dBSPL
W/m2 Pa 例 140
100
200
ジェットエンジン
120
1
20
耳の損傷が始まる
100
0.01
2
映画館の最大音量
80
0.0001
0.2
普通の音楽
60
0.000001
0.02
静かな音楽
40
0.00000001
0.002
静かな室内
20
0.0000000001
0.0002
ほぼ無音
0
0.000000000001
0.00002
無音室の中
音のエネルギーは意外と少なくて、人間の鼓膜が破れてしまうような大音響でも200ワット程度である。500Wのアンプを使っていても、ほとんどは熱になってしまい、音になっているエネルギーは2ワット程度である。