干渉

sin波を2つの位置から発生させると、図のように2つの波形が複雑に干渉する。位置によって、山と山、谷と谷がぶつかりあう所(音が強くなる位置)、そして山と谷がぶつかる部分(音が弱くなる位置)が生じる。

1.13m離した2つのスピーカーから1200Hzのsin波を再生すると、以下のような干渉パターンが生じる。赤い線は山と山がぶつかったところで、同じ距離の音量の平均より約3dB音圧が高くなる。

周波数が変わると、波長が変わり、干渉のパターンも変わる。

以下は周波数を 1000Hzに下げた場合で、青線が1000Hzのsin波の音圧が3dB高くなるところ。

この二つを重ねると下の図になる。赤は1200Hzの音圧が+3dB高くなることろで、青は1000Hzの音圧が+3dBになる位置だ。

ある場所で試聴すると、周波数によって音圧が増加したり減少したりする。また位置によって、音圧が増加する周波数が異なるので、音色が変わってきこえる。

つまり2つのスピーカーから同じ音を出すと、ホログラムで光が反射されて7色に輝くように、音にいろいろな色がついて再生される、ということがわかる。

これは、2つのスピーカーで音を再生する時の欠点の1つ。ステレオで人間の声を再生すると、ちょっとへんな音になるのはこのため。5.1チャンネルではこの問題を避けるために、中央にスピーカーを配置する。

こんなことを覚えておこう

2つのスピーカーからsin波を再生すると、山と山がぶつかるところでは音圧が増し、山と谷がぶつかるところでは、打ち消しあって音圧が下がる。

このような減少を、音波の干渉、または単に、干渉、と言う。