2つの音の乗算
今度は2つの音を乗算してみよう。サンプル同士の値を掛け合わせるためには、 「.*」という記号を用いる。半角のドットとアステリスクを、スペースを間に入れずに並べて入力する。また「.*」の前後には必ずというわけではないが、半角のスペースを入力しておくと、必ず乗算として計算される。
それでは x2と x3をサンプル同士で掛け合わせと x5 を作ってみよう。
sound(x2 .* x3);
今度は2つの音はきれいに重ならないし、なんだかとても歪んだ音になった。
このように、音と音を「乗算」すると、音が合成されるのではなく、どちらの音とも違った音になる。
Scilabの乗算
Scilabには2種類の乗算がある。
*
を使うと、行列の積の計算を行う。
.*
を使うと、要素毎に乗算をした結果を計算する。
たとえば
x=[1,2,3];
y=[10,20,30];
とした場合
x .* y;
x * y';
x' * y;
x * y;
がそれぞれどのような結果になるか試し、理由を考えてみよう。
行列の積はこの授業の範囲ではないが、忘れてしまっている人は線形代数の教科書やWikiを読んで復習しておくこと。この授業では線形代数のこれ以上高度な内容は使わないが、上記2つの乗算の違いと、それぞれどのように計算されるか、については理解している必要がある。