音階と分数(もっと良く理解したい人用)

どうしてこのようにして音階を作れるのだろうか?

d=1.12246;
c=1.05946;

という数を使ってドレミを作ってみた。

しかし、この数はいったい何だろうか?

実はもともと音階は分数で作ることができる。

       
1 16/27  
re=9/8 2/3  
81/64 3/4  
ファ 4/3 64/81  
3/2 8/9  
27/16 1  
243/128 9/8  
2 32/27  

以下のようにして「ドレミファソ」の音を作ってみよう。

do=sin(2*%pi*440*16/27*t)*0.1;
re=sin(2*%pi*440*2/3*t)*0.1;
mi=sin(2*%pi*440*3/4*t)*0.1;
fa=sin(2*%pi*440*64/81*t)*0.1;
so=sin(2*%pi*440*8/9*t)*0.1;
ra=sin(2*%pi*440*t)*0.1;
ci=sin(2*%pi*440*9/8*t)*0.1;
do2=sin(2*%pi*440*32/27*t)*0.1;

このように、音階は分数を使っても作ることができるが、先に作った音階とは微妙にずれている。

実は、この分数比の音階は「ピタゴラス」音階、先に作った方は「平均率」と呼ばれ、以下のような特徴がある。

音階 音と音の周波数比 特徴
ピタゴラス音階 分数 音のハーモニーが美しく、人間にとって自然な音階であるが、転調が自由に行えない
平均律音階 一定の数値 各音の比がすべて同じなので、どんなに転調しても響きが変わらず、自由な作曲ができる。

ピタゴラス音階はおそらく人類発祥時からずっとあったが、平均律は300年ほど前に転調が自然に行えるためにバッハが使い始めたものだ。

筝曲など、転調などの複雑な展開をせず、自然な音階に近い音楽ではピタゴラス音階に近い調律が用いられ、ジャズやクラシックを演奏するためのピアノなどの楽器は、転調に対応するために平均律で調律する。

コンピュータで音楽を演奏する場合は、ピタゴラス音階や平均率を自由に使い分けることができるだけでなく、1オクターブを13音階や24音階にしてみるなど、あらゆる音階を使うことができる。