デシベル

Q. 音の大きさはどう表せばよいか?

音の大きさは、「dBspl」であらわす。

dBsplは対数

デシベルは下記の式で計算した数値だ。

dbspl

P=気圧(単位はパスカル)。

Q: 気圧の変化が 1気圧の2/10万の場合、音の大きさは何dBsplだろうか?

 

振幅の図

どうしてdBsplは対数

dBsplは音の大きさを対数であらわしている。

利点: ほとんどの大きさの音を2桁で表現できる。

dBSPL

Pa

140

200

ジェットエンジン

120

20

耳の損傷が始まる

100

2

映画館の最大音量

80

0.2

普通の音楽

60

0.02

静かな音楽

40

0.002

静かな室内

20

0.0002

ほぼ無音

0

0.00002

無音室の中

たとえば、0.002Paと表すよりも 40dBsplと表す方が扱いやすい。

dBは倍率を表すのにも使われる

dBという単位は「倍率」を表現するのにもよく使われる。たとえば、振幅Aが振幅Bの10倍である場合、振幅Aは振幅Bの+20dBである、と表現する。

振幅 a/ b 20 log (a/b) / log 10

なぜ対数を使うのか?

対数は倍率の計算に便利だからだ。

たとえば音量は音源の音圧、マイク感度、スピーカー能率に比例するが、以下のA,Bの音量を合わせるには、Bの音量つまみをAに対してどの程度上げればいいだろう?

  A B
音源 トランペット
0.28Pa
ピアノ
0.2Pa
マイク感度 0.0158(Volt/Pascal) 0.0125(Volt/Pascal)
スピーカー能率

0.4Pa/W

0.316Pa/W

それぞれの数字を掛け合わせるのはちょっとたいへんだ。

しかしすべてdBで表現されていれば、音量差は足し合わせるだけでよい。

  A B
音源

トランペット
83dBspl

ピアノ
80dBspl
-3
マイク感度 -36dB re 1(Volt/Pascal) -38dB re 1(Volt/Pascal) -2
スピーカー能率 86dBspl/W 84dBspl/W -2

AとBの差を足し合わせていけば、AとBの音量差が、-3-2-2= -7dBであることがすぐに計算できる。

対数はこのようにとても便利なものだ。

今すぐ指数関数と対数を復習しよう!

エネルギーのdB値は計算方法が異なる

エネルギーのdB値は計算式が異なる

エネルギー c/d 10 log (c/d) / log 10

エネルギーは振幅の2乗に比例するので、同じ振幅比に対するdB値はどちらの計算方法でも同じになる。

よく使うdB値は覚えてしまおう

エネルギーで2倍の音は+3dB,

10倍の音は+10dB

などのdB値はおぼえておくと大変便利だ。

以下の表のdB値は覚えておくと便利なので、覚えておこう。

振幅 エネルギー dB
10倍 100倍 +20
約3倍 10倍 +10
約2倍 4倍 +6
約1.4倍 2倍 +3
1/10 1/100 -20
約1/3 1/10 -10
約1/2 1/4 -6
約1/1.4 1/2 -3

 

これだけは覚えよう

Q 音の大きさの単位は? A dBspl

Q 60dBsplの音に対し、以下の音のdB値を求めよ

振幅10倍 -> + 20dB = 80dB

振幅1/10 -> -20dB = 80dB

振幅 2倍 -> 約 +3dB = 83dB

振幅 1/2 -> 約-3dB = 77dB

エネルギー 10倍-> +10dB = 70dB

エネルギー2倍->+3dB = 63dB

エネルギー半分 -> -3dB = 57dB

エネルギー1/10-> -10dB = 50dB

エネルギー 5倍 = 10倍の半分 -> 60+10-3 = 67dB

エネルギー20倍 = 10倍の2倍 -> 60+10+3 = 73dB